中国商標審判(拒絶査定不服審判)における証拠の重点課題Q&A:出願人が適切に証明資料を提出するには

商標の拒絶査定に対する審判(不服審判)の実務において、出願人は証拠の提出形式・種類・実質的要件について多くの疑問を抱えています。中国国家知的財産権局・商標局(China National Intellectual Property Administration, Trademark Office)は、審判事件の証拠に関する重点課題Q&Aをまとめ、出願人が有効かつ適切な証明資料を積極的・全面的・規範的に提出するよう支援しています。出願人は提出する資料の真実性・正確性・完全性について責任を負います。

1. なぜ審判段階で証拠が重要か

商標が拒絶された後、審判は権利を回復する重要な手続です。審判部門は「個別事件審査・記録上の証拠に基づく」原則で拒絶理由の成否を審査します。使用による顕著性の獲得、引用商標との混同のおそれなし、引用商標の権利不安定、正当な目的などの主張を裏付ける証拠を提出できるかが、結果を左右します。

2. よくある証拠の種類

a. 主体資格・権利の証拠

営業許可証、身分証明、出願受付通知、登録証(引用商標を所有する場合)、譲渡・変更証明など、出願人の適格性と商標との権利関係を証するもの。

b. 使用証拠

契約、領収書、広告、包装、店舗写真、EC販売履歴など、指定商品・役務における真実かつ継続的な使用を示すもの(「使用による顕著性」「混同防止」等の主張に有用)。

c. 著名性の証拠

受賞、業界ランキング、報道、販売規模、広告費等、一定の知名度や著名商標保護の必要性を示すもの。

d. 先使用権・悪意の証拠

引用商標の無効・取消決定、悪意出願の痕跡など、引用商標の障害性を弱めるもの。

3. 提出の実務上の要点

真実かつ完全であること、原本又は照合済み複写の提出、主張に即した整理、および補充証拠の期限厳守(遅延した証拠は通常採用されない)を徹底してください。

4. よくある誤解

「使っていれば勝てる」——使用証拠は本件商標と指定商品を指向し、相当の知名度のハードルを満たす必要があります。「場当たり的な証拠の作成」——急造の証拠は真実性を疑われます。「引用商標の状態を軽視」——無効や不使用取消の監視は、単なる主張より決定的な場合が多いです。

よくある質問(FAQ)

問:審判段階で新たな証拠を提出できますか?
答:可能ですが、定められた挙証期間内かつ主張に関連して提出してください。期限後の証拠は通常審査対象となりません。

問:使用証拠の形式要件は?
答:商標・商品・時期・主体の四要素がそろった資料(商標を付した領収書・契約・広告・包装等、指定範囲と一致するもの)が有力です。

問:真実性はどう判断されますか?
答:出所・作成時期・相互の整合性から総合判断されます。出願人が真実性に責任を負い、矛盾や出所不明の資料は証明力が弱いです。

問:譲渡や名称変更後、主体資格の証拠はどう扱うか?
答:譲渡核准証明又は変更証明を併せて提出し、出願人・商標権者・証拠の主体が一貫するようにしてください。

関連サービス

出願前に中国の商標分類表で商品・役務区分と類似群を確認し、区分の選択ミスを避けてください。登録済み商標は、特許年金監視と同様の考え方で更新・権利維持の期限リマインダーを設定し、不注意による消滅を防ぐことができます。

出所

本稿は中国国家知的財産権局・商標局「商標審判事件証拠の重点課題Q&A」(2025/12/31公表)をもとに編集・要約したものです。原文:https://sbj.cnipa.gov.cn/sbj/zcwj/202512/t20251231_37000.html。本稿は中華人民共和国(中国)の知的財産権制度を紹介するものであり、詳細は最新の公式規定に準じます。

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