中国の特許譲渡・実施許諾契約の結び方——国家知識産権局の二つの雛形と締結ガイドを解説

特許契約はゼロから書かなくてよい

特許の譲渡や実施許諾を行う際、中国の多くのイノベーターや企業はネットの「雛形」を取ってきたり、自分でつぎはぎしたりする。その結果、条項の欠落や特許法との不一致が生じ、トラブルになって初めて気づくことが多い。実は中国国家知識産権局はすでに二つの公式モデル——「特許(出願)権譲渡契約書雛形および締結ガイド」「特許実施許諾契約書雛形および締結ガイド」——を公表し、「どう署名すれば規範的か」を明確に説明している。

なぜ二つのモデルを改訂したか

旧モデルは発表から年数が経ち、環境にそぐわなくなっていた。民法典の施行、特許法・科学技術進歩法の改正、『知的財産強国構築要綱(2021—2035)』の新要求、そして特許譲渡・許諾活動の増加により、契約の規範性への要求が高まった。改訂の目的は、当事者の法的リスク防止、権利保護、特許の実施化促進にある。

契約書雛形の変更点

  • 必要条項の標準化:契約の基本構成である必要条項を標準化し、よくある事情には選択肢を設けて当事者が選べるようにした。
  • 重要条項の具体化:実施許諾の「許諾方式と範囲」について、期間・地域・方式・実施行為の範囲などを列挙し、サブライセンスに関する注意を付記した。
  • 拡張内容の選択化:技術サービス・研修・技術輸出入など特定事情の拡張内容を選択条項とし、必要に応じて用いる。
  • 締結ガイドの変更点

    旧ガイドは契約文そのものに近く、条項の意味を説明していなかった。新版は各条項に逐条で説明を追加:関連法規の引用、双方が注目すべき要点の提示、雛形の選択肢の選び方の指導。いわば「注釈付き署名説明書」である。

    必須か

    必須ではない。二つのモデルは中国国家知識産権局が提供する公共サービスであり、拘束力のある規則でも具体的な法律助言でもない。当事者は一部を参照・修正して独自の契約を作ってもよいし、専門機関の助けを借りてもよい。

    署名後の手続き

    譲渡は書類記載事項の変更(登録)が、実施許諾は契約の届出が必要である。署名して引き出しにしまうだけではいけない——手続きが不十分だと第三者に対抗する効力が弱まる。また、付与された特許の「有効期間」を維持することも重要であり、無料特許年費モニタリングで未納を防ぎ、商標展開前には中国商標分類検索で区分を整理されたい。

    よくある質問(FAQ)

    この二つの契約書雛形は必須か?

    必須ではない。公式の公共サービスであり拘束力はなく、法律助言を構成しない。当事者は参照・修正して利用してよい。

    譲渡と実施許諾の違いは?

    譲渡は所有権の全部または一部を相手に移転し(書類記載事項の変更が必要)、実施許諾は許諾者が被許諾者に约定の範囲での実施を許可するもので所有権は許諾者に残る(契約届出が必要)。法的効果と後の手続きが異なる。

    署名後の手続きは?

    譲渡は書類記載事項の変更(登録)を、許諾は契約届出を。また年費納付を見落とさず、不納による消滅を防ぐこと。

    出典

    中国国家知識産権局(CNIPA)「政策解読」:「特許(出願)権譲渡契約書雛形および締結ガイド」「特許実施許諾契約書雛形および締結ガイド」の解読(2023-06-30)。原文リンク:https://www.cnipa.gov.cn/art/2023/6/30/art_66_186012.html

    本記事は中華人民共和国(中国)の知的財産権制度を紹介するものであり、詳細は最新の公式規定に準じます。参考として提供されており、公式の解釈や法律助言を構成するものではない。

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