中国特許の官費一覧:出願料から年金までの実務ガイド

中国への出願を検討する外国出願人や海外代理店にとって、まず確認したい実務上の論点の一つが費用です。本記事では、中国国家知識産権局(CNIPA)が徴収する官費――国内出願および審査手続の費用、年金、PCT手続、ハーグ意匠の指定、集積回路の回路配置――を整理します。金額はすべて中国人民元(CNY)表示で、CNIPAが2024年8月に改定した料金表に基づきます。

中国の官費は国際的に見て中程度の水準にとどまっており、個人・中小企業・公共機関・非営利の研究機関が利用できる費用減免制度を活用すれば、対象となる官費を最大85%まで軽減できます。ただし、多くの外国出願人にとって実務上の関心は別の点にあります。いつ納付するのか、年金の負担がどのように増えていくのか、そしてPCTルートのどこで費用が節約できるのか。以下、順に整理します。

1. 出願段階の官費

項目 特許(発明) 実用新案 意匠
出願料 900元 500元 500元
請求項加算料(11項目以降、1項ごと) 150元 150元 150元
明細書加算料(31頁目以降、1頁ごと) 50元 50元 50元
明細書加算料(301頁目以降、1頁ごと) 100元 100元 100元
公報印刷料 50元
優先権主張料(1件の優先権ごと) 80元 80元 80元
実体審査請求料 2,500元

顧客にぜひ伝えておきたい制度が一つあります。特許出願が実体審査段階に入った後、最初の拒絶理由通知(オフィスアクション)への応答期限前に、応答書を提出していない状態で自発的に出願を取り下げた場合、請求により実体審査請求料の50%が返還されます。最初の実体審査の関門において、実質的な撤退オプションが制度的に用意されていることになります。

2. 再審査・無効宣告

項目 特許(発明) 実用新案 意匠
再審査請求料 1,000元 300元 300元
無効宣告請求料 3,000元 1,500元 1,500元

3. 年金(年度ごとの登録料)

年金は中国特許の存続期間を通じた最大のコストであり、料金表は意図的に累進的になっています。特許が古くなるほど負担が急に増えるため、ポートフォリオを定期的に見直すことが促されます。年金は前年度の期間満了前に納付する必要があり、納付が遅れた場合は、遅延した月数(1か月ごと)につき当該年度の年金全額の5%が割増金として加算されます。

特許(発明特許):存続期間20年

年度 年金(1年あたり)
1〜3年 900元
4〜6年 1,200元
7〜9年 2,000元
10〜12年 4,000元
13〜15年 6,000元
16〜20年 8,000元

実用新案:存続期間10年

年度 年金(1年あたり)
1〜3年 600元
4〜5年 900元
6〜8年 1,200元
9〜10年 2,000元

意匠:存続期間15年

年度 年金(1年あたり)
1〜3年 600元
4〜5年 900元
6〜8年 1,200元
9〜10年 2,000元
11〜15年 3,000元

年金の納付期限の管理には、当所の無料特許年金モニターをご利用ください。中国特許の年金期限を自動でお知らせする無料サービスです。

4. その他の手続費用・登録後の費用

項目 金額
権利回復請求料 1,000元
期限延長請求料(最初の請求、1か月ごと) 300元
期限延長請求料(再度の請求、1か月ごと) 2,000元
登録事項変更料(発明者・出願人・特許権者の変更) 200元
特許権評価報告書請求料(実用新案・意匠) 2,400元
特許文献の証明謄本(1部ごと) 30元
特許権存続期間の補償請求料(1件ごと) 200元
補償期間における年金(1年ごと) 8,000元

このうち2項目は、2023年の特許法実施細則の改正により導入された特許権存続期間の延長・補償の仕組みに対応して新設された区分です。存続期間の補償を請求する際の請求料200元と、補償期間中に年8,000元の年金(1年に満たない端数期間については徴収されません)です。特に医薬品分野の出願人に関係します。

特許出願または特許権をまとめて移転する場合、登録事項変更料は対象となる出願・特許権の件数に応じて徴収されます。同一の出願人または特許権者の名義変更であって権利の移転を伴わない場合は、1件として取り扱われます。

5. PCT関連の官費

CNIPAが受理官庁、国際調査機関または国際予備審査機関として機能する場合、国際段階では次の官費が適用されます。

項目 金額
調査手数料/追加調査手数料 各2,100元
優先権書類手数料 150元
予備審査手数料/追加予備審査手数料 各1,500元
発明の単一性に関する異議手数料 200元
謄本作成料(1頁ごと) 2元
遅延提出手数料 200元
権利回復請求料 1,000元

CNIPAがWIPO国際事務局に代わって徴収する国際出願手数料および送付手数料は、PCT規則およびWIPOウェブサイトで公表される人民元基準に従います。納付が遅延した場合の割増金は未納額の50%とされ、これが国際出願手数料(追加出願手数料を除く)の50%を超える場合は、国際出願手数料の50%が上限となります。

中国の国内段階へ移行する際には、猶予手数料1,000元、翻訳文の訂正料(予備審査段階300元、実体審査段階1,200元)、単一性の回復手数料900元、優先権の回復手数料1,000元が適用されます。その他の国内段階の項目は、国内の料金表に従います。

PCT案件を扱う際に注目すべき免除が2つあります。(i) PCT出願をCNIPAに受理官庁として出願し、CNIPAが調査を行った場合、中国の国内段階への移行時に出願料および出願加算料が免除されます。(ii) CNIPAが国際調査報告書および特許性に関する国際予備報告書を作成した場合、国内段階への移行時に実体審査を請求する際に実体審査請求料が免除されます。

6. 中国を指定する意匠の国際登録

ハーグ協定の下では、国際登録の手数料はスイスフランで国際事務局に直接納付します。一方、中国に係る次の個別指定手数料は、人民元でCNIPAに納付します。

中国の個別指定手数料 金額
第1回納付(最初の5年間) 4,100元
第2回納付(次の5年間) 7,600元
第3回納付(さらに次の5年間) 15,000元

中国を指定する意匠の国際登録について、国内手続に係る官費は国内の意匠料金表に従います。

7. 費用減免制度

CNIPAの費用減免制度は国際的に見ても手厚く、納付の前に適用可否を確認する価値があります。

減免の対象となる出願人 単独出願人 2名以上の共同出願人
前年の月平均所得が5,000元未満(年間所得60,000元未満)の個人 85%減免 70%減免
前年の課税所得が100万元未満の企業 85%減免 70%減免
事業単位(公共機関)、社会団体、非営利の科学研究機関 85%減免 70%減免

減免の対象は、出願料(公報印刷料および出願加算料を除く)、特許の実体審査請求料、再審査請求料、権利付与の年から起算して10年目までの年金(開放ライセンス期間中に納付する年金を含む)、および中国に係る個別指定手数料の第1回・第2回納付です。特許が開放ライセンス(オープンライセンス)の下にある場合、年金はさらに15%軽減されます。複数の減免に該当する場合は、より高い減免率が適用されます。出願手続の実務ノートは特許出願費用減免の届出手続の進め方にまとめています。

8. 集積回路の回路配置

参考までに、料金表には集積回路の回路配置も含まれています。登録料1,000元、再審査請求料1,000元、登録事項変更料50元(1件ごと)、期限延長請求料150元(1件ごと)、登録権利の回復手数料500元、非自発的ライセンス請求料150元、非自発的ライセンスの使用対価に関する裁定請求料150元です。

9. 外国出願人向けの実務ポイント

  • 官費は中程度でも、重要なのは年金のカーブです。特許では4〜6年の年1,200元が10〜12年には年4,000元と3倍以上に跳ね上がるため、段階的に上がる前にポートフォリオ見直しの時期を決めておくべきです。
  • 費用減免は中国国内の外資系事業体も対象です。所得要件を満たす中国子会社や現地法人であれば、出願料・実体審査請求料・年金について85%減免を受けられます。
  • PCTルートは制度設計が効きます。CNIPAを国際調査機関として利用することで、国内段階の出願料と実体審査請求料の双方を免除できる可能性があります。
  • 納付前に必ず最新の料金を確認してください。料金基準は随時改定され、実際に適用されるのはCNIPAのオンラインシステムに公表された金額です。

出典および免責事項

出典:中国国家知識産権局(CNIPA)特許業務処理システム — https://cponline.cnipa.gov.cn/。金額はすべてCNIPAが2024年8月に改定した料金表に基づき、中国人民元(CNY)で表示しています。金額は主管機関により改定されることがあるため、納付前に最新の料金表を確認してください。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、法的助言を構成するものではありません。

本記事は合肥知海易達特許代理事務所(機構コード34408)が中国の知的財産制度を紹介するために作成したものです。個別の案件については、最新の公式規定に基づきご確認ください。

共有:WeiboQQ
上部へスクロール