中国企業の海外展開において、特許が現地で「順番待ち」になるのはつらい課題です。シンガポール市場向けの特許出願は、通常の審査で2~3年待たされることも珍しくありません。しかし、この「順番」を飛ばせる仕組みがあります。それが特許審査ハイウェイ(PPH)です。2026年8月、中国国家知的財産権局(CNIPA)は中国・シンガポール間PPH試行を5年延長すると発表し、東南アジアへ展開する企業に安心感をもたらしました。
特許審査ハイウェイ(PPH)とは
PPHは、異なる国や地域の特許庁間で審査結果を共有する高速ルートです。わかりやすく言えば、A庁ですでに「特許性あり」と認められていれば、B庁への出願時にその結論をもとに審査の加速を請求でき、B庁はA庁の審査結果を参照して、登録までの期間と応答コストを短縮します。
- 性質:審査結果の相互参照と資源共有であり、審査免除でも「登録保証」でもありません。
- 価値:海外登録の早期化、市場参入の前倒し、代理人・応答費用の削減。
中国・シンガポールPPH延長の要点(2026.9.1–2031.8.31)
中国国家知的財産権局とシンガポール知的財産庁の共同決定により、中国・シンガポール特許審査ハイウェイ(PPH)試行は2026年9月1日から5年間延長され、2031年8月31日までとなります。
- 出願が対応出願と同じ最早起日(対応出願の優先日または出願日)を有する場合、試行への参加を請求できます。
- 中国が2011年11月に初のPPH試行を開始して以来、中国国家知的財産権局はこれまでに38の国・地域の特許庁とPPH協力を構築しています。
企業がこのルートを活かすには
- まず本国、次に海外:通常は中国またはシンガポールのいずれかで「特許性あり」の結論を得てから、相手庁へ審査加速を請求します。
- 対応書類をそろえる:対応出願の審査通知書、クレーム対応表、特許性ありの説明など。
- タイミングに注意:対応出願の審査結果後、かつ本国出願の審査終了前に請求します。
多国展開を目指す革新主体にとって、PPHは費用対効果の高い加速器です。ただしPPHは審査を早めるだけで、登録を保証するものではありません。
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本記事は中華人民共和国(中国)の知的財産権制度を紹介するものです。最新の公式規定については、管轄官庁の発表する最新情報をご確認ください。
常见问题
PPHは審査免除や登録保証ですか?
いいえ。PPHは審査を加速するだけで、庁は独自に特許性を判断し、登録を保証するものではありません。
中国・シンガポールPPHはいつまで延長されましたか?
2026年9月1日から2031年8月31日までの5年間です。
どの出願が中国・シンガポールPPHを利用できますか?
対応出願と同じ最早起日(優先日または出願日)を有する出願です。
中国のPPH加盟国・地域は多いですか?
2026年時点で、中国国家知的財産権局は38の国・地域の特許庁とPPH協力を構築しています。
来源:国家知识产权局(CNIPA)局要闻,2026-08-28。原文链接:中新(加坡)专利审查高速路试点项目延长
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