本稿の対象は中国特許です。中国国家知識産権局(CNIPA)が付与した特許の年金を滞納した場合の追納金と、中華人民共和国専利法実施細則に基づく特許権の回復手続を扱います。記載した料金・通知書・期限は中国制度によるものであり、他国の特許庁における年金には適用されません。
—— 納付は必要条件であり、十分条件ではない
本稿で引用する条文は『専利法実施細則』(2023年改正、2024年1月20日施行)によります。
金額は納付システムの表示を優先します。本件の出願番号はマスキング済みです。
当所の無料年金監視リストに、2023年出願の発明特許(出願番号 2023….X)が登録されています。今週取得した納付情報は以下のとおりです。
表1 対象特許の納付情報(抜粋、2026年10月22日)
| 費用の種類 | 納付額(元) | 納付期限 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 権利回復請求料 | 1,000 | 2026-11-30 | 未納 |
| 発明特許 第4年年金 | 180 | 2026-08-20 | 納付済 |
| 発明特許 第5年年金 | 180 | 2027-03-22 | 納付済 |
| 発明特許 第6年年金 | 180 | 2028-03-20 | 未納 |
出願人が自ら年金を管理していると、納付漏れはしばしば起こります。興味深いのは、この特許では第4年と第5年の年金が「納付済」である一方、権利回復請求料は「未納」と表示されている点です。
こうなった理由は明快です。出願人は第4年の年金を滞納しました。6か月の納付猶予期間(出願日の応当日から起算)が経過した後、権利喪失通知書を受け取る前に、出願人は第4年・第5年の年金と滞納金を納付しました。
納付時点では国家知識産権局がまだ権利喪失通知書を発行していなかったため、権利回復請求料は画面に表示されません。出願人は費用をすべて納め終えたと考えます。ところが権利喪失通知書が発行されると権利回復請求料が発生し、結果として第4年・第5年の年金は「納付済」、権利回復請求料は「未納」という状態になるのです。
権利回復請求料を全額納付しなければ、特許権はなお失われます。
ここで一言注意が必要です。権利回復請求料の納付と同時に、権利回復請求書を提出しなければなりません。請求書がなければ、請求料を納めても特許権は失われたままです。
付録:回復期間に関するよくある12の質問
以下は最近のご相談から、質問の多い順にまとめたものです。
問:年金も滞納金も納付済みなのに、なぜ権利回復請求料が未納と表示されるのですか。
答:権利回復請求料は年金の付随費用ではありません。「権利の回復を請求する」という手続行為に対応するもので、その起点は権利喪失通知書です。納付画面は「年金+滞納金」だけを計算するため、権利回復請求料は自動的に表示されません。システムの計算誤りではなく、二つの費用が別の事柄に属しているためです。
問:1,000元を納付すれば権利は回復しますか。
答:必ずしもそうではありません。専利法実施細則第6条第3項は、権利回復請求書の提出、理由の説明、そして権利喪失前に完了すべき手続の履行を求めています。権利回復請求料の納付は、それに「さらに」必要な事項です。納付だけでは請求をしたことにならず、権利は消滅したままです。
問:請求書だけ提出し、請求料をまだ納めていない場合はどうなりますか。
答:実施細則第116条第1項は明快です。権利回復請求料は所定の期間内に納付しなければならず、期間満了時に納付がないか納付が不足している場合は、請求は提出されなかったものとみなされます。提出しなかったのと同じであり、このみなし取下げは後から治癒できません。
問:2か月の期間はいつから起算しますか。
答:権利喪失通知書を受領した日からです(第6条第2項)。電子送達の場合は、書類が電子システムに入った日が送達日となります(第4条第7項)。「15日を加算する」取扱いはありません。発送日から15日後に受領したものとみなす規定は、郵便送達の場合だけです。
問:請求書の「理由」はどう書けばよいですか。
答:第6条第2項の文言は「その他の正当な理由」です。「うっかりした」「忘れた」だけでは通常認められません。担当者の交代、納付案内の不達、納付チャネルの不具合、社内決裁の遅延など客観的な事実を書き、裏付け資料(決裁書、銀行の振込控え、やり取りのメール、システム画面の写しなど)を添付してください。理由が認められるかは国家知識産権局が判断しますが、資料が具体的であるほど有利です。
問:権利回復請求料は減免できますか。
答:できません。特許料減免弁法の対象は、出願料(公表印刷費および出願附加料を除く)、発明特許出願の実体審査請求料、年金(特許権付与の年から6年以内)、再審査請求料です。権利回復請求料は対象外で、1,000元を全額納付します。
問:滞納金は1,200元を基礎に計算しますか、それとも実際に納める180元が基礎ですか。
答:全額年金が基礎です。第115条により、所定の納付期間を1か月超えるごとに「その年の全額年金」の5%が加算されます。発明特許の第4〜6年の全額年金は1,200元であり、回復手続では25%に当たる300元となります。減免の対象は年金であり、滞納金は減額されません。
問:年金が「納付済」と表示されていれば問題ないのですか。
答:いいえ。「納付済」はその年度の年金が納付されたことを示すだけで、権利が有効であることを意味しません。本件では第4年・第5年ともに納付済ですが、第4年の滞納により権利はすでに消滅しています。権利状態は特許登録簿の謄本と国家知識産権局の通知書で確認すべきであり、納付画面だけで判断してはいけません。
問:1件の特許が2つの年度にまたがる場合、何年分の年金を納めますか。
答:実際に納付すべきで未納の年度の数によります。1年を超える場合はまとめて納付し、滞納金は各年度ごとに計算します。自分で推計せず、納付システムに表示された未納項目に従ってください。
問:回復後、特許権は継続して有効ですか。
答:回復後は再び有効になりますが、回復はすでに生じた事実を変えません。消滅公告はすでに公開されており、消滅から回復までの権利の空白は客観的に存在します。この期間の第三者の実施が侵害となるかは、当時の権利状態に照らして個別に判断する必要があります。ライセンス、質権、侵害訴訟、譲渡が関わる場合は、法律関係の起点を整理し直さなければなりません。
問:すでに回復期間を過ぎてしまいました。救済はありますか。
答:2か月を過ぎると「その他の正当な理由」による途は閉ざされます。そこで問題となるのは「不可抗力の事由」の有無です。この場合は第6条第1項が適用され、障害が消滅した日から2か月以内、かつ期間満了日から2年以内に請求できます。いずれにも当たらない場合、特許権は完全に失われ、新たに出願するしかありません。その際、先の公開がすでに先行技術となっていないかに注意が必要です。
問:回復を終えた後、再発を防ぐにはどうすればよいですか。
答:三点です。第一に、出願日の応当日に固定のリマインダーを設定すること。回復しても年金の納付期限は変わりません。第二に、費用減免の届出が有効期間内かを確認すること。失効後は全額計算となり、納付不足(未納扱い)が生じやすくなります。第三に、「取下げとみなす」「権利消滅」などの通知書が届いたら、納付より先に期限を確認すること。通知書そのものが回復期間の起算点です。
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年金管理を外部に任せたい場合は、当所の無料年金監視をご利用ください。出願日の応当日から自動でスケジュールを組み、滞納・延滞・回復の各段階を事前に通知します。お問い合わせは合肥知海易達専利代理事務所(機構コード 34408)まで。
出典:『専利法実施細則』(2023年改正、2024年1月20日施行)第6条・第4条・第115条・第116条、国家知識産権局『特許・集積回路配置設計納付サービスガイド』。本稿の出願番号はマスキング済みであり、金額は納付システムの表示を優先します。
付録:回復期間に関するよくある質問12
年金も滞納金も納付済みなのに、なぜ権利回復請求料が未納と表示されるのですか。
権利回復請求料は年金の付随費用ではありません。「権利の回復を請求する」という手続行為に対応するもので、その起点は権利喪失通知書です。納付画面は「年金+滞納金」だけを計算するため、権利回復請求料は自動的に表示されません。システムの計算誤りではなく、二つの費用が別の事柄に属しているためです。
1,000元を納付すれば権利は回復しますか。
必ずしもそうではありません。専利法実施細則第6条第3項は、権利回復請求書の提出、理由の説明、そして権利喪失前に完了すべき手続の履行を求めています。権利回復請求料の納付は、それに「さらに」必要な事項です。納付だけでは請求をしたことにならず、権利は消滅したままです。
請求書だけ提出し、請求料をまだ納めていない場合はどうなりますか。
実施細則第116条第1項は明快です。権利回復請求料は所定の期間内に納付しなければならず、期間満了時に納付がないか納付が不足している場合は、請求は提出されなかったものとみなされます。提出しなかったのと同じであり、このみなし取下げは後から治癒できません。
2か月の期間はいつから起算しますか。
権利喪失通知書を受領した日からです(第6条第2項)。電子送達の場合は、書類が電子システムに入った日が送達日となります(第4条第7項)。「15日を加算する」取扱いはありません。発送日から15日後に受領したものとみなす規定は、郵便送達の場合だけです。
請求書の「理由」はどう書けばよいですか。
第6条第2項の文言は「その他の正当な理由」です。「うっかりした」「忘れた」だけでは通常認められません。担当者の交代、納付案内の不達、納付チャネルの不具合、社内決裁の遅延など客観的な事実を書き、裏付け資料(決裁書、銀行の振込控え、やり取りのメール、システム画面の写しなど)を添付してください。理由が認められるかは国家知識産権局が判断しますが、資料が具体的であるほど有利です。
権利回復請求料は減免できますか。
できません。特許料減免弁法の対象は、出願料(公表印刷費および出願附加料を除く)、発明特許出願の実体審査請求料、年金(特許権付与の年から6年以内)、再審査請求料です。権利回復請求料は対象外で、1,000元を全額納付します。
滞納金は1,200元を基礎に計算しますか、それとも実際に納める180元が基礎ですか。
全額年金が基礎です。第115条により、所定の納付期間を1か月超えるごとに「その年の全額年金」の5%が加算されます。発明特許の第4〜6年の全額年金は1,200元であり、回復手続では25%に当たる300元となります。減免の対象は年金であり、滞納金は減額されません。
年金が「納付済」と表示されていれば問題ないのですか。
いいえ。「納付済」はその年度の年金が納付されたことを示すだけで、権利が有効であることを意味しません。本件では第4年・第5年ともに納付済ですが、第4年の滞納により権利はすでに消滅しています。権利状態は特許登録簿の謄本と国家知識産権局の通知書で確認すべきであり、納付画面だけで判断してはいけません。
1件の特許が2つの年度にまたがる場合、何年分の年金を納めますか。
実際に納付すべきで未納の年度の数によります。1年を超える場合はまとめて納付し、滞納金は各年度ごとに計算します。自分で推計せず、納付システムに表示された未納項目に従ってください。
回復後、特許権は継続して有効ですか。
回復後は再び有効になりますが、回復はすでに生じた事実を変えません。消滅公告はすでに公開されており、消滅から回復までの権利の空白は客観的に存在します。この期間の第三者の実施が侵害となるかは、当時の権利状態に照らして個別に判断する必要があります。ライセンス、質権、侵害訴訟、譲渡が関わる場合は、法律関係の起点を整理し直さなければなりません。
すでに回復期間を過ぎてしまいました。救済はありますか。
2か月を過ぎると「その他の正当な理由」による途は閉ざされます。そこで問題となるのは「不可抗力の事由」の有無です。この場合は第6条第1項が適用され、障害が消滅した日から2か月以内、かつ期間満了日から2年以内に請求できます。いずれにも当たらない場合、特許権は完全に失われ、新たに出願するしかありません。その際、先の公開がすでに先行技術となっていないかに注意が必要です。
回復を終えた後、再発を防ぐにはどうすればよいですか。
三点です。第一に、出願日の応当日に固定のリマインダーを設定すること。回復しても年金の納付期限は変わりません。第二に、費用減免の届出が有効期間内かを確認すること。失効後は全額計算となり、納付不足(未納扱い)が生じやすくなります。第三に、「取下げとみなす」「権利消滅」などの通知書が届いたら、納付より先に期限を確認すること。通知書そのものが回復期間の起算点です。
